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2015

信濃川を内包する庭

A garden that encompasses the Shinano River

町屋ギャラリー薩摩屋、旧割野屋(新潟)

石、粘土、ポンプ、水槽、モニター、他

2015

信濃川を内包する庭

A garden that encompasses the Shinano River

町屋ギャラリー薩摩屋、旧割野屋(新潟)

石、粘土、ポンプ、水槽、モニター、他

A garden that encompasses the Shinano River

本作は、信濃川流域の町家の前庭を舞台に、源流から下流までの川の姿を凝縮的に再構成したインスタレーションである。庭全体を信濃川周辺に見立て、甲武信ヶ岳源流域から採取した石や水、映像作品を配置することで、町の生活と長く結びついてきた川の存在を空間として立ち上げる。かつて舟運の町として栄えた小須戸において、川と町の関係性を現在の風景の中に重ね合わせ、人と自然のつながりを静かに問い直す試みである。

小須戸ARTプロジェクト2015において南条嘉毅は、信濃川を内包する町家の庭を主軸に、源流から下流へと連なる川の時間と風景を一つの空間に編み込むインスタレーションを展開した。展示の核となる前庭は、信濃川の堆積土の上に形成された土地であり、周囲には現在も広大な田園が広がっている。江戸期から昭和初期にかけて舟運の川港として栄えた小須戸は、治水と交通手段の変化により川との関係性を変容させながらも、町並みには当時の記憶を色濃く留めている。

本作では庭全体を信濃川流域に見立て、甲武信ヶ岳源流域から汲み上げた湧水を循環させる水槽作品や、源流の映像、橋をめぐる記録映像などを複合的に配置した。庭に並べられた二十数箇所の小石は、源流から下流へと続く川の流れを示し、静止した庭に時間の軸を与える。加えて、吹き抜け空間への映像投影は、建物全体を川の内部にあるかのような知覚へと変換する。

南条は、信濃川がもたらしてきた恵みと災害、その両義性を含む関係性を、直接的な物語化ではなく、物質と配置によって立ち上げる。本作は、川と町屋の間にかつて存在した密接な関係を、現在の時間の中で静かに呼び戻し、人と風景の距離を再考させる空間として構成されている。

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