


2013
群馬県吾妻郡中之条町大字四万4237番地
NAKANOJO BIENNALE 2013
4237 Shima, Nakanojo-machi, Agatsuma-gun, Gunma Prefecture
旧まるたか商店(群馬県)
照明・スライドフィルム・土・他
制作協力:本田將人
2013
群馬県吾妻郡中之条町大字四万4237番地
NAKANOJO BIENNALE 2013
4237 Shima, Nakanojo-machi, Agatsuma-gun, Gunma Prefecture
旧まるたか商店(群馬県)
照明・スライドフィルム・土・他
制作協力:本田將人


本作は、2011年にも展示を行った四万温泉・まるたか商店を再び舞台に、二年間の時間の経過と向き合いながら制作された。前回と今回の取材写真を用い、透過光を用いた平面的表現によって、現象として立ち現れる風景と、平面に内在する風景という二重の像を生み出している。床下の土や堀ごたつの灰など、建物と共に時間を重ねてきた素材を用いることで、土地に刻まれた時間の層を静かに浮かび上がらせる試みである。

今回の制作について
前回の中之条ビエンナーレ2011においても、この「まるたか商店」で展示を行った。今回あらためてこの場所を選んだ理由は、二年間という時間と向き合い、同じ場所で新たな制作が可能かを問い直したかったからである。
四万温泉は、温泉を中心に宿と商店街が、山と山に挟まれたわずかな谷間に沿って形成されている。そのため建物は階段状に建ち、道から少し視点をずらすだけで、建物や集落を正面だけでなく、斜めや上方など複数の角度から捉えることができる。
本作では、前回の取材時と今回の取材時に撮影した写真を用い、ステンドグラスやガラス絵のように、透過する光を利用した平面の空間的拡張を試みた。透明で平面的な画面に光を当て、図像が透過することで、凹凸をもつ土に映し出される現象としての風景と、元の画面に描かれた空間性をもつ平面としての風景という、二つの異なる像が立ち現れる。
本展示では現象としての側面が前景化されているが、その背後には常に平面としての像が潜んでいる。初めてこの土地を訪れる者にとって、二年前の取材写真と今回の写真との差異を見出すことは容易ではないかもしれない。しかし、人、動物、建物、土には、それぞれ確実な時間が流れ、蓄積されてきた痕跡がある。
本作は、二年の時差をもつ写真群と、建物の床下から採取した、この建物と時間を共有してきた土、さらにかつてこの場所で生活していた人々の記憶を宿す堀ごたつの灰を用いて構成した。四万という土地で刻まれた時間、そしてそれぞれに刻まれた時間について思考する場となることを意図している。
2013.9
南条嘉毅






